ホームズの子孫の役に立ちたい
「確か、勝手に学校を抜け出すのも校則違反じゃ……」

「わかっています！」

ハティーさんは大声を出す。その目からは、涙があふれていた。

「でも、ここに来るしかなかったんです。私のルームメイトが行方不明になってしまって、でも先生たちは相手にしてくれないんです。ホームズさんに探してもらうしかないと……」

「……そうなんですね」

ハティーさんは涙を拭い、少しずつ話し始めた。イザベラス学園には、懲罰塔と呼ばれる古い塔がある。その塔に昔は校則違反をした生徒を閉じ込めていたため、そのような名前がついたそうだ。しかし、今は使われていない。

「その塔には、幽霊が出るという噂があるんです。実際、その塔に行った生徒のほとんどが「幽霊を見た！」って言っていて……。それで、ルームメイトのヴァイオレット・ハンターと一度懲罰塔に行ったんです」

すると、塔の最上階の辺りから光が見えたらしい。ハティーさんは怖くなってそれ以来懲罰塔に近づくことはなかったが、ヴァイオレットさんは興味を逆に持ち、懲罰塔について調べ始めた。
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