肉食系年下男子に求められてます…?!
うちは星花中学校3年の瀧澤沙羅!
恋愛ものの小説や漫画とかめっちゃ好き!
元気だけが取り柄!

「さ、今日も学校へレッツゴー!お母さん、車おねがいしまーす!」
「はいよー!ちょっと待ってね…!」
うちの家は学校から10キロ離れてて、毎朝お母さんに学校の近くまで送ってもらっている。まあ自転車で行けばいい話なんだけどさ、朝から晩まで物騒だしっていって、お母さんはいつも車をだしてくれる。ありがたいけど流石にうちみたいなブスには誰もかまわないし、目にも止まらないだろう。
「ちょっと!沙羅、ついたよ!」
「え?あ、ありがとう!行ってきまーす!」
「気を付けてね!」
「うん!」

楽しい学校生活!ってわけじゃない。
いろいろ苦労している部分もある。
先生立候補で生徒会長なんてやらせられて…昼休みの30分や放課後の1時間は生徒会室でみっちり学校に貢献しなきゃいけない…。嫌です…。
ま、内申点のためなら頑張るけどね!それに部活入らなくても生徒会の人はOKだしね、楽、楽!
「沙羅おはよっ!」
「あ!日奈!おはよー!」
「ね、昨日の恋愛物語24、更新されたの見た?!」
「あったりまえ!まじ神ってた!」
「だよね!私も恋愛したいわぁ」
「日奈なら選び放題じゃん!」
「いやいや、理想と合致しない人ばっかで無理」
「日奈は理想高すぎなの!」
日奈は私の唯一の理解者であり、親友。中1で出会って意気投合。
生徒会にも入ってる。とにかく可愛くて、モテモテ…ファンクラブもあるって聞いたことがある。
うん。納得です。
「沙羅、今日の放課後空いてる?」
「ん?今日は日奈も生徒会の仕事なかったっけ?」
「うん。あるよ!終わったら公園で遊びたいなって!」
「お!いいね!いこいこー!」
「やったー!ありがとぉー!」
「はいよー!」

放課後…。
「おい、沙羅。日奈。今日は先生達会議だからはやく帰っていいぞ。」
「わかりました。中野先生、失礼します。」
「おぉ。じゃあな。」
一礼して日奈と速足で学校を出た。
先生の前でいい子ちゃんしてるのは本当にめんどくさいけど、これも全部成績のため。
「はぁ、作り笑顔疲れるわぁー!」
「それなぁぁぁぁ!!!」

しょうもない会話をしながら、公園に到着。
地元の知らない小学生や、中学生、高校生が勢ぞろいしていた。
にぎやかですなぁ。
「うっわ!沙羅!見て見て!あそこの木にいるthe・ヤンキー集団って感じの!」
「ん?え!ほんとだ…。あれ?…あの制服うちの学校じゃない?」
「うっわほんとだ!あんな輩いたんだねー。怖い怖い。」
こんな輩がいるなんて…学校の恥ね…しかも5人…
「だね。怖いから顔だけ覚えとかなきゃ」
「そーしよそーしよ。」
「あだ名つけよ!」
日奈は興味深々に
「いいね!面白そう!」
よし、どんなあだ名をつけてやろうか…
「靴黒い奴は、目デカいから……デメキン!」
面白すぎか!日奈は!
「んじゃー。あの、怖い顔面の奴は…笑ってみてほしいからニコ太郎で!」
「お!沙羅にしては珍しく可愛い名前つけるね!」
あ………やばい。
ニコ太郎さんとばっちり目が合ってしまった…
き、聞こえてた…?いやそんなはずないか…
あれれ…ニコ太郎さん怖い顔してるけど意外と整った顔してるんだ…
「どした?沙羅。」
「あ、いや!なんでもない!」
一瞬だったけど、うちがビビりすぎて固まってたっぽい
いや、ビビりすぎんか!うち!

その後、日奈と話が盛り上がり、少し暗くなるまでぶっ通しで話してた。
「そろそろ帰ろうか!」
「そうだね!」
「ばいばい!」
「うん、ばいばい!」
日奈が見えなくなるまで手を振り続けてから、近くの公衆電話からお母さんに迎えを頼んだ。

楽しい時間だったなぁ。
お母さん早く来ないかなぁ。
そう思いながら未だに居座っているヤンキー集団の方々を見た。
「!」
思わず声が出そうになった…
また目合っちゃったよぉぉぉぉ!!怖い…
ニコ太郎さんが細目でこっち睨んでるよ!恐怖だ…!
え!立ったよ?!
え!こっちに歩いてきてるよ?!
えぇぇ!無理無理無理無理!
逃げないきゃいけないのに体が動かない…
自分の体全体が、小刻みに震えているのがわかる。
ど…う…し…よ…う………
「さーーーーーらーーーー!」
?!
駐車場に車を止めて、頭をだしながらうちを呼んでいる…
この声は…お母さん?!
神?お母さんは救世主という名の神なのか?!
そんな事を思いながらガクガクの足で全速力で走った。
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