【企】Sweet*Sweet*honey
中庭まで走りつくと、カオルはベンチに寝転がっていた。
「はぁっ…カオル!!」
大声で呼ぶと、カオルはビックリしたように飛び起き、あたしの前から去ろうとした。
「カオルッ…」
「……」
話しかけても、返事が返ってこない。
どんどん小さくなっていくカオルの背中。
あたしはまた、涙が溢れてきそうになった。
「~~…バカッ!!」
あたしは再び大声で叫んだ。
驚いて振り向くカオル。
「返事しなさいよっ!!」
あたしはカオル目掛けて、カオルの靴の入った紙袋を投げつけた。
「痛っ!!」
どうやら紙袋はカオルのおでこを直撃した様…
「おい杏っ「カオルのバカ」
ボヤける視界を手で拭った。