【企】Sweet*Sweet*honey
その日はもう時間が遅く、空は薄暗くなってきていた。
「あの…カオル?」
「んあ?何?」
「あたし…そろそろ帰るね。時間遅いし…じゃあ、今日は急に押し掛けてゴメン」
玄関に向かおうとした時、手首を掴まれた。
「待って。送るから」
「あ………うん」
レポート書くのに忙しいのに、送るだなんて言ってくれる…こういう優しさが好き。
クールだけど、本当は凄く凄く優しいんだ。
街灯に照らされて、道に影が出来る。
あたしとカオルは並んで歩く。
でも、手は繋がない。
ホントは繋ぎたいけど…
でも、きっとカオルはそういうの好きじゃないんだ。
…寂しいけどね…
すると…
「杏」
カオルが急に口を開いた。