総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「おい」
背後から声を投げられた気がして、反射的に振り返る。
ふわりっ、と、風が舞った気がした。
私の視界に映ったのは、メガネをかけた、ずいぶんとキレイな顔をした男の人。
身長は見るからに高く、目を合わせるには顔をうんっと上げないといけないくらい。
タダモノではないと、私の本能が感じた。
彼の全身から漂うオーラは、知性、品性、そして薄っすらと滲み出る脅威。
この人、きっと強い。
一瞬にしてわかった。
それほどに、目の前の彼からは常人ではない匂いが漂っていたから。
それにしても……雑誌に出てくるモデルさんみたいに整った容姿をしている……。
美しくどこかミステリアスなその容姿に、一瞬魅入ってしまう。
「お前か、こんな時期に編入してくる女子生徒は」
彼が薄い唇を開け、そう発した。