総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜






「は、はい……!」



 編入生というのは間違いなく、私のことだと思う。

 でも、『こんな時期に』という言葉が引っかかった。ちょうど後期の始まるキリのいい時期だと思うんだけど……。

 不思議に思いジッと彼を見つめていると、目の前の人は不敵に口角の端を上げ、薄っすらと笑みを浮かべた。



「まったく……どんな頭で編入試験を通ったのかと思えば、どこからどう見てもガリ勉だな」



 ……うっ、否定できない……。

 今の自分の姿はもう嫌というほど見たので、的確な表現で突いてきた彼に反論しようにもできなかった。

 ボサボサ頭にビン底メガネだもん……仕方ない仕方ない。

 でも、ガリ勉って言葉は失礼だなっ。



「裏口編入かと思ったが、その見た目なら納得だ」



 ……え? 裏口……?

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