総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「ついてこい。理事長室まで案内する」
そう言い捨てると、私に背を向け歩みを始める彼。
先ほどの言葉がどうしても気になって、私は後ろから声を投げかけた。
「あ、あの……さっきの、どういう意味ですか……?」
「何がだ?」
「裏口編入、とか……」
彼の言い方は、私の容姿を見るまでは裏口入学を使ったと思っていた、とでもいうかのような言い方だった。
まるで編入は不可能かのような言い方が、引っかかる。
「……知らないのか?」
少し驚いたように振り返り、私の顔を見た彼。
知らないのかって……何がだろう?
表情で知らないと伝えると、再び前を向き歩みを止めずに話し始めた彼。