総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



「ついてこい。理事長室まで案内する」



 そう言い捨てると、私に背を向け歩みを始める彼。

 先ほどの言葉がどうしても気になって、私は後ろから声を投げかけた。



「あ、あの……さっきの、どういう意味ですか……?」

「何がだ?」

「裏口編入、とか……」



 彼の言い方は、私の容姿を見るまでは裏口入学を使ったと思っていた、とでもいうかのような言い方だった。

 まるで編入は不可能かのような言い方が、引っかかる。



「……知らないのか?」



 少し驚いたように振り返り、私の顔を見た彼。

 知らないのかって……何がだろう?

 表情で知らないと伝えると、再び前を向き歩みを止めずに話し始めた彼。


< 12 / 347 >

この作品をシェア

pagetop