総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
というか、ふたりとも潔癖なんだ……大変そうだっ。
「じゃあ、氷高の部屋にするか」
「……無理」
海くんの提案に、拓ちゃんは即答したけど、私は少し残念な気持ちになった。
「私、拓ちゃんの部屋見てみたかったなぁ……」
拓ちゃんがどんなところで暮らしているのか、少し興味があった。
「じゃあ俺の部屋にしよっか?」
「え? いいの?」
「うん」
わー、やった……!
「ありがとう拓ちゃん」
「由姫なら、いつ来てくれたって構わないからな」
笑顔の拓ちゃんに、「うん!」と返事をする。
ふふっ、楽しみ。
「氷高……お前、キャラ変わり激しいなぁ……」
「詐欺だろ……」
「メガネにだけ甘すぎ……」
「ああ?」
「ふふっ、みんなでなんて楽しみっ」
拓ちゃんが怖い顔でみんなを睨みつけていて、少し不穏な空気だったけど、私はこの高校で初めてできた友達との時間に心を躍らせた。