総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「由姫、なんか手伝う? ……って、俺、野菜の皮剥くくらいしかできないけど……ほらあれ、剥く器械みたいなのがあれば」
海くんが、気をつかって声をかけてくれる。
器械って……ピーラーのことかな?
拓ちゃんのキッチン、新品の包丁しかないし……気持ちはありがたいけど、きっとないと思うっ……。
「ふふっ、大丈夫だよ! ありがとう!」
「でも、由姫の歓迎会なのに悪い……」
「すぐできるから大丈夫! 向こうで待ってて!」
そう言って、みんなにはリビングのほうでゆっくりしていてもらうことにした。
荷物持ちも全部してもらったし、このくらいどうってことない。
さ、みんなお腹をすかせているし、急がなきゃ……!
先に出汁を作って、買ってきた食材を切り入れていく。
ちょうど半分ずつ分かれていて、2つのお鍋を作れる形の鍋。
半分は鶏ガラベースの一般的なお鍋に、もう半分はみんな辛いのが好きって言っていたから、白菜とキムチ・お肉を入れた辛味鍋にした。