総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
カセットコンロをテーブルに置いて、できあがった鍋を運ぶ。
リビングでは、弥生くんと華生くんはスマホを見ていて、海くんは宿題をしているみたいだった。拓ちゃんは、少し離れたソファで寝ている。
「できたよ」
鍋をカセットコンロの上に置くと、みんな一斉に顔を上げ、集まってきた。
「え? もうできたの?」
海くんが、驚いた様子で私を見る。
「うわ、うまそう!」
「鍋とか久しぶり……!」
弥生くんと華生くんがうれしそうにしていて、その光景が微笑ましかった。
「由姫、食べよ」
「ふふっ、うん。お皿持ってくるから待ってね」
「あ、俺するよ」
「俺がする!」
動いてくれようとした海くんよりも先に、拓ちゃんが立ち上がる。