総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
わ……もうほとんどなくなってる……!
「あ、おいお前! 食べた箸でとんな! ちゃんと取り箸使えよ!!」
弥生くんが、拓ちゃんに注意していて、注意を受けた本人は不機嫌そうに眉をひそめる。
「ちっ、細かいこと気にしてんじゃねーよ」
「無理! 俺ら潔癖だから無理!」
「俺とかよはそっち食べないから、お前ももうこっちの鍋食うなよ!!」
「あ? 誰がお前らの指図なんか受けるか」
拓ちゃんはそう言って、容赦なくもうひとつのお鍋の食材を自分のお箸で取った。
「「あああああ……!!!」」
た、拓ちゃん……。がっくりと肩を落としているふたりに、苦笑いを浮かべる。
「も、もうひとつ作ってるから待ってね」
「「うう……こいつ悪魔だ……」」
ひとまず新しい食材を追加して、すぐにキッチンへと戻った。