総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「お前ら、遠慮ってもんを知らないな……」
海くんは、苦笑いしながらみんなを見ている。
「じゃあお前は食うなよ」
「いや、俺もできれば食べたい……」
華生くんの言葉に、海くんは申し訳なさそうに私のほうを見た。
「ふふっ、うん。すぐに作ってくるね」
「ごめんな由姫、ひとりでさせて……」
「ううん! みんなたくさん食べてくれるからとってもうれしい」
友達に料理を作るなんて初めてだからっ……。
春ちゃんにだって、まだご馳走したことはない。
というより、春ちゃんとはそこまで遊んだりしたことがないし、恋人らしいこともしていなかった。
キッチンでおかわりの用意をしながら、昔のことを思い出す。
春ちゃんと付き合い始めたのは……2年前、私が引っこしする2日前。