総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


「ふふっ、付き合ってないよ?」



 幼なじみって説明したのに、まさかそんな誤解をされているとは……。

 拓ちゃんは昔から、私のことを妹みたいにかわいがってくれているだけなのに。



「そっか。なんかあまりにも氷高が過保護だからさ。なんだなんだ、氷高の片思いか」

「お前マジでぶっ殺すぞ……!」



 拓ちゃんの片思い……?

 そんなわけないのに、ふふっ。

 否定さえ必要のないような言葉に、くすりと笑った。



「そんなメガネに彼氏いるわけねーじゃん」

「ま、料理はうまいけど……」



 弥生くんと華生くんのセリフに、今度は苦笑いをする。

 た、たしかに、そう見えるよね……。

 いまだに、どうして春ちゃんみたいなかっこいい人が私を好きになってくれたのか、私が一番不思議だ。


< 141 / 347 >

この作品をシェア

pagetop