総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「人並みだよ」
にっこりとして言った海くんに、その気持ちはさらに膨らんだ。
謙虚だ……絶対、人並みじゃ収まらないくらいモテてらっしゃるだろうに……。
「まあでも、恋人はいないけど……気になる人はいるかな」
ぽつりと、そう呟いた海くん。
「え! 同じクラスの人とか?」
まだクラスの人の名前も全然覚えてないからわからないけど……!
海くんにアタックされたら、普通の女の子ならすぐに堕ちちゃうと思う。
「ううん、違う」
笑顔で言った海くんは、少し考えるような仕草をしたあと、ゆっくりと口を開いた。
「サラ……って、呼ばれてる人なんだけど」
「へっ」
思わず、変な声が漏れる。