総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
だって……その通り名には、聞き覚えがありすぎるから。
黙々と食べていた拓ちゃんも、驚いたように目を見開いていた。
「たった1回しか見たことないし、相手は俺の存在も知らないだろうけど……」
……い、いやいや、そんなわけないよね。
海くんの気になる人が、私のわけ……き、きっと、別人のサラさんだ。
「俺はずっとその人が、忘れられないんだよね」
そうこぼした海くんの顔は、完全に恋い焦がれている表情だった。
「へ、へー……」
だ、大丈夫大丈夫。きっと違う……。
「そ、その人、どんな人なの……?」
「どんな人……話したことないから、中身はわからない。ただ、俺が見た時は、有名な、あくどい不良たちをひとりで倒してたんだ。だから……正義感の強い人だと思うよ」
……どうしよう……嫌な予感がしてきた……。