総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「ど、どうしてまた、その人を……?」
できるだけ平静を装ったつもりだけど、自分の声がプルプルと震えていた。
いったい、どうして自分がみんなの気になる存在になってしまったのか、理由がまったくわからない。
「その人がケンカしてるとこを、見たことがあるんだよ」
そういえば、さっきも言ってたな……。
「たまたまその時、双子と3人で一緒にいた時だったんだけど、その人大勢をひとりで蹴散らしてたんだ。もうさ、異次元の強さ。しかも、倒しかたがすっげーキレイなんだよ」
海くんは思い出すかのように、ふっと笑う。
「踊るみたいにキレイに回って……俺、なに見てんだろうって気分になった」
キレイにって……私、そんな倒し方してたかな……?