総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
相当力が入れられているのか、華生くんは痛そうに叫んでいた。
「た、拓ちゃん、やめてあげて!」
「……ちっ、由姫の優しさに免じて許してやる。次は本気でやるからな」
「ひっ……!」
華生くんが完全に怯えきっていて、かわいそう……。
「由姫、行こ」
送ることは確定なのか、私の手を掴んで引っ張ってきた拓ちゃん。
危なくはないし、もし変な人がいたって返りうちにできるけど……ここは甘えておいたほうがいいのかな。
「ありがとう」
そう言って微笑むと、拓ちゃんはうれしそうに頷いた。