総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



 このマンモス校の生徒会役員ってことは……やっぱり、すごい人物らしい。



「ありがとうございます。私は白咲由姫です!」

「俺のことは舜でいい」

「さ、さすがに先輩に呼び捨ては……舜先輩って呼んでもいいですか……?」

「ああ、構わない」



 先ほどよりも物腰柔らかそうな態度で、優しい声色の副会長さんもとい、舜先輩。

 表情も心なしか柔らかくなっていて、薄っすらと笑みすら見えた。

 よかった……思ったよりも優しそうな人だ……。

 昔から、お父さんに初対面には疑心暗鬼なくらいで接するようにきつく言われていた。

 そのせいか、人を疑う癖のようなものがついたんだ。

 ……というより、鼻がきくようになったのだ。それなりに力のある人物は、直感でわかる。

 彼も私のそれに反応があったから怖い人だったらどうしようと思ったけれど……どうやら、常識のあるいい人そう。



「私のことは由姫って呼んでください。これからよろしくお願いします!」



 安心からか、自然と笑みがこぼれる。


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