総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
不良さんに絡まれました。
「よし、完成っ」
お弁当を作り終えて、カバンに入れる。
そろそろ出ようかな……。
8時になったのを確認して、家を出る。
こっそりと寮から出て、校舎に向かった。
廊下を歩いている間、すれ違う人みんなが私のほうを見ている気がした。
「あれ、編入生だぞ」
「噂どおりのガリ勉だなぁ~」
「天才っつーか、勉強しか取り柄ないですって感じ?」
こそこそと、何か話している声が聞こえる。
笑い声も聞こえるし、悪口だろうな……ははは……。
気にしないでおこうと歩くスピードを速め、教室に向かう。
教室につくと、海くんの姿があった。
「おはよう」
「おはよ、由姫」
隣の席に座り、持ってきた教科書を引き出しにしまう。