総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「他のみんなは……?」
拓ちゃんも……弥生くんと華生くんも来てないのかな?
「双子はまだ。あいつらいつもギリギリなんだ。氷高も……今日も来んのかな?」
「え?」
今日“も”って?
首をかしげた私を見て、海くんはなぜか苦笑いを浮かべた。
「……いや、余計なこと言ったら殺されそうだからやめとく。まあ、由姫がいたら来るだろうけど」
ん? どういうことだろう……?
ますますわけがわからなくなった時だった。
「おい、由姫に気安く話かけてんじゃねーぞ」
背後から拓ちゃんの声が聞こえて、振り返る。
あっ、今来たのかな。
「ははっ、おはよ氷高」
「由姫、おはよ」
拓ちゃんは海くんの挨拶を無視して、私を見ながらにっこりと微笑んだ。