総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 海くんにも挨拶してあげてっ……と、心の中で呟く。



「おはよう」

「俺がいない間に、変な奴に絡まれたりしなかった?」



 隣の席に座った拓ちゃんが、心配そうにそう聞いてくる。



「ふふっ、してないよ」



 拓ちゃんは、私の返事に安心したのか、力が抜けたようにほっとした顔になった。

 それにしても……視線が、痛い。

 クラスメイトたちの視線が、一身に集まっている気がした。



「氷高が2日連続で登校してきた……」

「今日も編入生と仲良くしてるし……あいつ何者?」

「氷高様、これから毎日来るのかな? 目の保養が増える~!」



 私を見て怪訝そうにしている人も入れば、拓ちゃんを見て目をハートにしている女の子もいる。

 自分のこの地味な見た目に加え、拓ちゃんみたいな目立つキレイな人といたら、嫌でも視線が集まるよね……。

 きっと物珍しくて見られているだけだろうし、そのうちなくなるはず……気にしない気にしない……。

 そう自分に言い聞かせていた時、離れた席の男の子が海くんに声をかけた。

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