総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「やよ、マスク持ってない?」
「ほら」
「ありがと」
なんていうんだろう……弥生くんは水色で、華生くんは青色っていう感じというか……。
「……何?」
じっと見ていた私に気づいたのか、弥生くんが不機嫌そうに聞いてくる。
「あっ……う、ううん。本当にそっくりだなぁと思って」
私の言葉に、弥生くんはふんっと顔を逸らして言った。
「……親も、見分けつかないしね」
その姿が少しだけ、寂しそうに見えたのは気のせい……?
「そうなの?」
「……別に、どうでもいいけど」
「俺らはお互いだけで十分だし」
そういうものなのかなぁ……。