総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「い、いや、すっげーイケメンだなと思って」
あはは……と、笑った海くん。
ふふっ、そうでしょうそうでしょうっ。
弟を褒められてうれしく思っていた時、弥生くんが発した言葉にどきりと心臓が跳ね上がった。
「お前の弟だから、超絶地味男を想像してた」
……っ。
そ、そうだった……。
私今、変装中なんだった……!
輝の髪色はクリーム色に近いピンクベージュ。
今の私は真っ黒だから、色素からして似ても似つかない状態。
「同じ遺伝子とは思えないな……」
華生くんが、ははっと笑いながら言ったけど、私は苦笑いしか返せなかった。
ま、まずい、墓穴を掘ってしまった……。
「お前らいい加減にしろや」
「「いてっ……!」」
拓ちゃんが、ゴツンと力強くふたりの頭を殴った。
私はその間にも、ごまかす言い訳を考える。