総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「あ、あはは……そ、そうなの、昔からほんとに姉弟? ってよく聞かれたよ、あはは……」
って、これはちょっと言い訳がましすぎたかなっ……。
そう不安に思いながら、私はふと海くんの様子に気がついた。
なぜかぼうっと考えるような仕草をし、机の一点を見つめている。
「海くん?」
声をかけると、はっとした表情をして顔を上げた海くん。
「あ、ごめん……なんか由姫の弟、俺の知ってる人と、面影が似てる気がして……」
輝が……?
こんなにイケメンの輝と似ているなんて、さぞキレイな人なんだろう。
というか、そんな人この世に存在するのかな……?
間違いなく、私は輝がこの世で一番のイケメンだと思っている。
その次は、春ちゃんだっ……。
「ごめん、きっと気のせいだから、変なこと言ってごめんね」
海くんはそう言って、あははとごまかすように笑った。