総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
看病のお時間
授業が終わり、帰る支度をする。
「バイバイ由姫!」
「バイバイ海くん! 弥生くんと華生くんもまた明日っ」
「明日もお前の顔を見なきゃいけないと思うと、憂鬱だわ……って、いてててっ……!!」
「お、おい、やよを離せ……!!」
「お前ら双子は学習能力がねえなぁいっぺん死ぬか?」
「た、拓ちゃんやめてあげて、ほら、帰るよっ……!」
弥生くんの頭を掴んでいる拓ちゃんの背を押して、教室から出る。
弥生くんと華生くんはfatal、海くんはnobleの集まりがあるらしく、今日は教室でバイバイ。
「またな、由姫」
拓ちゃんが女子寮の前まで送ってくれて、別れたあとこっそりと裏口から寮に入った。
毎回こっそり帰るの、心臓に悪いなっ……。