総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
裏口は人目が少ないとはいえ、誰かが潜んでいるかもしれないし、気は抜けない。
拓ちゃんに嘘をついているのも、後ろめたさがあるし……いつかちゃんと、謝ろうっ……。
帰るだけでどっと疲れて、エレベーターに乗りため息をつく。
こればっかりは仕方ない……あと半年の辛抱だよね。
最上階について、エレベーターを降りた。
「……あれ?」
私は目の前に広がる光景に、目を見開いた。
廊下の先で……人が、倒れていたから。
慌てて駆け寄ると、倒れている人が誰なのかすぐにわかった。
「せ、生徒会長さんっ……!」
しゃがみ込んで顔を覗き込むと、頰を高揚させ、苦しそうな表情が目に入った。
「大丈夫ですか……!?」
額に手を当てると、尋常ではない熱が伝わってくる。
熱っ……すごい熱だ……!