総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
考えた末、私は自分の家に会長さんを運ぶことにした。
勝手に会長さんの家に入るわけにはいかないし、助けを呼ぶわけにもいかない……なら、いったん私の部屋で看病をして、舜先輩が帰ってきたら保健室へ連絡してもらおう。
その場にしゃがみ込み、会長さんの肩を持ち上げる。
「……すみません、ちょっと移動しますね……!」
意識が朦朧としているのか、返事はなかった。
ただ、苦しそうな息づかいが聞こえるだけ。
ううっ、重いっ……。
必死に持ち上げようとするも、まったく上がらない。
申し訳ないと思いながら、引きずるようにしてなんとかベッドに運んだ、
はあっ……は、運べた……!
一仕事を終え、ふぅ……と息を吐く。
って、早く看病を……!
ひとまずできることをしようと、必要なものを用意する。