総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
お母さんに言われて、氷枕持ってきておいてよかった……!
まさかこんなすぐに役にたつことになるなんてっ。
タオルで包んだ氷枕を会長さんの首に敷こうとした時、会長さんの目がうっすらと開いた。
「……お、まえ……」
私を見るなり、敵意を丸出しにする会長さん。
「大丈夫ですか? どこか痛いとかありますか?」
その言葉に返事はなく、変わりに鋭い視線で睨まれた。
一瞬で、場の空気が変わった。
威嚇だなんてかわいいものじゃない。会長さんから出ているのは、殺意にも似たドス黒いオーラ。
女嫌いだって言ってたけど……想像以上にひどいのかもしれない。
こんな目ですごまれたら、普通の人なら腰を抜かしちゃうかも。
そう思うくらい、この人から出ているオーラは恐ろしいものだった。
私はある種“慣れている”というか……怖い人には耐性があるから平気だった。