総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
というか、きっと辛くて意識を保っているのもやっとに見えるのに、こんな恐ろしい雰囲気を出せるなんて……この人は精神的にも肉体的にも強い人なんだろうなと思った。
「……っ」
苦しそうに頭を押さえた会長さんに、「大丈夫ですか?」と手を伸ばす。
「……っ、触、るな……」
すぐに振り払われたけど、その力は弱々しいものだった。
相当苦しいんだろうと、見ているだけで胸が痛くなる。
「舜先輩が帰ってきたら、先生を呼んでもらうようにお願いするので、それまではここで我慢……」
「帰、る……ほっと、け……っ」
私の言葉を無視して、起き上がろうとした会長さん。
けれど、そんな状態で立てるわけもなく、ふらりと体が傾いた。