総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「……っ」
会長さんは、少し驚いたように目を見開いたあと、観念したのかそれ以上抵抗してくることはなかった。
大人しくなった会長さんに安心して、看病を続行する。
タオルを氷水で冷やしたものを作り、額に乗せる。
汗を拭いてあげたほうがいいんだろうけど、さすがにそこまでされるのは嫌だろうし、最低限の接触で留めた。
嫌がることはしたくないし……。
布団を首元までかぶせて、部屋の電気を消す。
今できることは、このくらいかな……。
会長さんを見ると、まだ苦しそうなことには変わりないけど、さっきのように呼吸を乱してはいない。
目が覚めた時、すぐに飲めるように新品のお水を用意して、枕元に置いた。
もう少し暖かくしたほうがいいかもしれない……と、追加の布団を持ってきて、上に乗せる。
一度、舜先輩が帰ってきていないかインターホンを押しにいったけど、応答はなかった。
部屋に戻り、ベッド横のイスに座る。