総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



 俺は昔からこの世で一番、女という存在を嫌悪していた。

 容姿のせいか昔から、嫌でも女が寄ってきた。

 女にいい思い出なんかあるわけがなく、むしろ逆。あいつらには嫌な思い出しかない。

 気持ち悪い声で媚びを売って、あることないこと平気で口にできる、頭のおかしい生き物。

 ずっとそう思っていたし、その考えはこれからも変わらないだろう。

 俺に関心のない親父も、さすがに女嫌いは知っていた。

 親父は話は終わったと言わんばかりに、すぐに部屋を出ていった。

 本気で……意味わかんねーな。

 女子生徒が男子寮にとか、バレたらどうすんだよ。

 まあ……どうでもいいか。

 ベッドの上で、目を瞑る。

 いつからかわからないが、俺は寝つきが悪くなった。

 いや、悪くなったと言うより、眠れなくなった。

 いわゆる不眠症というものだが、別に精神的な悩みがあるわけでも体的にどこか悪いわけでもない。

 ただ、眠れない。


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