総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


「なんでお前が驚く?」



 ここに俺を連れてきたのはこいつのはずだろ……。

 つーか、ここはこいつの部屋なのか?



「あ、あのっ……すみません、私知らない間に眠っちゃったみたいで……!」



 慌てた様子でそう口にしたあと、女は心配そうに俺を見てくる。



「た、体調、どうですか?」



 本気で心配しているような姿が、心底不思議だった。



「……もう、平気」



 そう答えると、ほっと安堵の息をつく女。



「そうですか、よかったです……」



 本当に、なんだこいつ。

 本気で他人の心配してんのか……? そうだとしたら、お人好しにもほどがある。


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