総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



 そんなことを言う人には見えないのに、知れば知るほど、イメージとは異なる人だなと思った。

 もちろん、いい意味で。



「あ、熱はどうでしたか?」



 そう聞くと、会長さんは無言で体温計を渡してきた。

 ボタンを押して履歴に表示された数字を確認すると、37.5℃。

 微熱にしては、高いな……。



「平熱は何度ですか?」

「……知らない」



 うーん……今日はひとまず、1日安静にしたほうがいいかな。

 会長さんは、黙々とおかゆを食べ続けている。

 無言でからになった小皿を渡され、おかわりの要求だと察した。

 再びよそって渡すと、また黙々と食べ始める会長さん。

 ふふっ、食欲はあるみたいで安心だ。

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