総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



「あの、今日は念のため安静にしてください! 私、学校に行くので、お腹が空いたら残りのおかゆとか、ゼリーもあるので食べてくださいね」



 そう言って微笑むと、会長さんはぴたっと食べる手を止めた。

 そのまま、なぜかじっと私のほうを見てくる。



「なぁ……俺が悪い奴だとか、思わないのか」

「え?」

「知らない男部屋に置いとくとか、危機感なさすぎるぞ、お前」



 えっと……た、たしかにそうかもしれない……。

 言われて気づいたけど、自分が留守の間に、部屋に友達でもない男の人を置いて出ていくなんて……危機管理能力がないと言われても当然だ。

 でも……。



「会長さんが、悪いことをするような人には見えないので……」



 この人は大丈夫だって、確信があったから。


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