総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「それじゃあ、行ってきますね」
笑顔で言って、私は部屋を出た。
会長さんがわかりやすいように、冷蔵庫を開けてすぐの場所にゼリーや飲料水を置き、タオルも用意しておく。
よし、学校に行かなきゃっ。
私はカバンを持って、家を出た。
校舎のほうへ向かって歩いていた時、ポケットのスマホが震えた。
あっ、春ちゃんからの電話だ……!
人影のない場所へ移動し、電話に出る。
「もしもし春ちゃん?」
《もしもし、おはよう》
「うん! おはよう! こんな時間に電話くれるなんて珍しいね」
《昨日、サラの声聞けなかったから、あんまり眠れなかった……》
寂しそうにいう春ちゃんに、しょぼんとしている姿が脳裏に浮かんだ。