総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜

 授業が終わったら、すぐに帰ろう。

 もしかしたらもう、自分の部屋に戻ってるかもしれないけど……。

 ひとりきりの不安や寂しさはよくわかるから、過剰に心配していた。

 なんだか、拾ってきた猫の心配をするような感覚に近い。

 って、猫なんて会長さんに失礼だよねっ……。

 でも、今までは無視というか存在がないように扱われていたから、返事をしてくれるようになって、まるで懐かない猫が心を開いてくれたような気持ちだった。

 1日の授業がすべて終わり、急いで帰る支度をする。



「由姫、もう帰るのか?」



 海くんの言葉に、こくりと頷く。



「みんなで宿題終わらせてから帰ろうってことになったんだけど……由姫も残らない?」



 え、そうだったんだ……!


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