総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
海くんは不思議そうな顔、弥生くんと華生くんは「は?」とでも言いたそうな顔をしているけど、これ以上追求されることはなかった。
「そっか。じゃあまた勉強会しような。バイバイ」
手を振ってくれた海くんに、心の中で胸を撫で下ろす。
はあ……いろいろと、失言には気をつけなきゃ。
「うん、バイバイ!」
「由姫、俺も帰る」
カバンを持った拓ちゃんが、後ろからついてきた。
「拓ちゃんはみんなと一緒に残らないの?」
「由姫がいないなら残る意味ないし。途中まで一緒に帰ろ」
「いいの……? うん、なら一緒に帰ろっか」
授業の話や学校の設備の話をしながら、廊下を歩く。
視線はまだまだ痛いけど、少し慣れてきた……。