総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「この学園が全寮制という形式をとっているのは知っているね?」
「はい」
「じつは……手続きのミスで、キミは男子寮の入寮になっていることが先日わかったんだ」
「……え?」
男子寮……?
「急いで女子寮のほうに手続きし直そうと思ったんだが、今年は新入生が多く、どうしても空きが出なくて……」
え、ええっと……。
言われている言葉の意味はわかるけれど、ありえない状況に言葉を失う。
わ、私……こんなちんちくりんだけど、一応、性別は女なんですがっ……。
「増築作業をしているから半年後には別室を用意できるのだが……半年だけ、我慢してくれないだろうか?」
理事長の言葉に、さすがにすぐに「はい」とは言えなかった。
そして、隣にいた舜先輩も動揺を隠せないみたいだった。