総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
一度、名乗ったはずだけど……その時は覚えてくれる気もなかったんだと思う。
でも、もう一度聞いてくれたということは、少しは心を開いてもらえたのかな。
「白咲由姫です」
名前を名乗ると、会長さんは何も言わず、立ち上がった。
「……それじゃ、帰るわ」
「はい。帰ったら、ゆっくり休んでくださいね? それと、明日は保健室に行って、保健の先生に診てもらってください……!」
私の言葉に、「……わかった」と呟いて、部屋を出ていった会長さん。
玄関が閉まる音が響いて、片づけをしようと私も立ち上がった。
食器を片し、タオルや出していたものを直す。
ベッドを整えようと思った時、私は枕元に置いてある封筒に気づいた。
これ、なんだろう……?