総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「返されても困る」
まったく受け取る気のない会長さんに、眉の端が下がる。
私だって、こんなの受け取れない……。
「で、でも……」
「……なら、またメシ作って」
「え?」
「お前の作るやつ、うまかったから……また食わせて」
会長さんは、少し恥ずかしそうにそう言ってきた。
まだ納得はいかなかったけど、会長さんの絶対に受け取らないという意思を感じ、視線を下げる。
「それと……会長さんじゃなくて、蓮だから」
な、名前で呼べって、ことかな……?
「えっと……蓮、先輩……」
「先輩はいらない」
不満そうに言われて、困ってしまった。