総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


「返されても困る」



 まったく受け取る気のない会長さんに、眉の端が下がる。

 私だって、こんなの受け取れない……。



「で、でも……」

「……なら、またメシ作って」

「え?」

「お前の作るやつ、うまかったから……また食わせて」



 会長さんは、少し恥ずかしそうにそう言ってきた。

 まだ納得はいかなかったけど、会長さんの絶対に受け取らないという意思を感じ、視線を下げる。



「それと……会長さんじゃなくて、蓮だから」



 な、名前で呼べって、ことかな……?



「えっと……蓮、先輩……」

「先輩はいらない」



 不満そうに言われて、困ってしまった。

< 246 / 347 >

この作品をシェア

pagetop