総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
先輩はいらないって、呼び捨てにしろってこと……?
そ、それはさすがに、無理だよっ……!
「……蓮……さん……」
なんとかそう口にした私を見て、会長さん……蓮さんは、まだ少し不満げではあるけど納得してくれたみたい。
「まあ、今はそれでいい」
そう言って、私の頭に手を伸ばしてきた。
ぽんっと、優しく置かれた大きな手。
驚いて蓮さんを見つめる私を見て、蓮さんは――ふっと笑った。
それは、初めて見る笑顔だった。
「じゃあな、由姫」
「……っ」
そう言い残し、パタンと閉められたドア。
ひとり残された私は、両手で顔を押さえた。
あの笑顔は……反則、すぎるっ……。