総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
春ちゃんに会いたいのに……私は身動きが取れずにいた。
「由姫、体育館で待ってるからな」
次は体育の授業なので、拓ちゃんに「うん!」と返事をして更衣室の前でみんなと別れる。
Sクラスは人数が少ないため、体育はAクラスと合同でするそう。
女子更衣室で体操服に着替えている間、こそこそと話す声が耳に入った。
「白咲、だっけ? ほんと目障り~」
「海くんたちって、勘違いされるから特定の女の子とは仲良くしない~って言ってたのに、なんであいつとは仲良くしてんの?」
な、なんだか、すごく睨まれている気が……。
背中に感じる視線に、身を縮こめる。
「あんな地味な見た目して、男好きだよね~」
「海くんたちも物珍しくて仲良くしてるだけでしょ」
「だよね~。こんなブス、本気で相手になんてしないって」
あ、あはは……すごく言われてる……。