総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「ほんとほんと。女の子ってやっぱり怖いなぁ」
後ろにいた海くんが、そう言って苦笑いをした。
「でも、びっくりした。由姫って運動神経もよかったのか?」
え?
驚いた表情で聞いてくる海くんに、首を横に振る。
「そんなことないよ」
平均がわからないからなんとも言えないけど、逃げ足が早いだけだと思う。
「7.2とか、俺らより速いじゃん……」
弥生くんが、ぼそりと呟いた。
そういえば、みんなは何秒だったんだろう?
「海くんはタイムどうだった?」
「俺は6.6秒。氷高のほうが0.1速かったよ」
え……! 6秒台……!