総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
少しだけ、安心してしまった自分がいた。
よくわからないけど……舜先輩がいるなら、大丈夫な気がしてきたかも、しれない……。
「……それ、蓮は知ってるんですか?」
舜先輩の口から出た、“蓮”という名前。
あっ、さっき女の子たちが話してた名前……。
その人が、生徒会長さん?
「ああ、昨日伝えてある。怒っていたけれどね、ははっ」
「笑い事じゃないですよ、理事長」
まったく悪気がなさそうな理事長の姿に、舜先輩がため息をついた。
理事長は、私のほうを見て話を続ける。
「不安もあるかもしれないが、安心してほしい。部屋はもちろん、浴室や全部屋に鍵の設備はしてある。それに、私の息子は人付き合いが苦手というか他人には無関心の奴でね。とくに女の子は苦手だから、関わらなくてすむだろう」
再び声を上げて「ハッハッハッ」と笑っている理事長に、冷や汗が流れた。