総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜




 華生くんだけは終わったのか、隅っこで座っている。

 ……って、あれ?

 マスクをしているけど……あれは華生くんじゃなくて、弥生くんだ。

 いつも、マスクをしているのは華生くんのほう。

 それなのに……どうして?

 私は違和感に気づいて、キョロキョロと体育館内を見渡して本物の華生くんを探す。

 あ、いた……って、やっぱり……!

 握力測定をしている華生くんの姿に、ふたりが入れ替わっていることを確信した。

 慌てて座っている弥生くんに近づき、声をかける。



「……や、弥生くん、何してるのっ……?」



 私の言葉に、弥生くんはぎょっと目を見開いた。



「……は? なに言ってんの? 俺は華生だけど。マスクつけてんだろ」



 見てわからないのかよとでも言いたそうな態度。


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