総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
いやいや、どう見ても私の目の前にいるのは弥生くんだよ……!
「マスクはついてるけど、華生くんじゃないでしょう? その声と喋り方はどう見ても弥生くんだよ」
「……っ、は?」
どうして騙せると思っているのか不思議で首をかしげると、弥生くんはさっきよりも目を大きく開けて、宇宙人を見るような目で私を見てきた。
「いつから入れ替わってたの? 先生にバレたら怒られ……」
「お、おい、ちょっと来い……!」
私の声を遮って、手を掴み体育館外へ連れ出してきた弥生くん。
人気のない体育館裏で、弥生くんはなぜか焦った表情で問い詰めてきた。
「お前、どうして俺が弥生だってわかった?」
……え?
「わかったも何も……弥生くんは弥生くんでしょう?」
そりゃあ、入れ替わってたら誰だってわかるよ……!