総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 きっと海くんたちだって気づいてるよ……!



「……っ、待ってろ」



 そう言って、弥生くんは再び体育館の中へ入っていった。

 すぐに、弥生くんは華生くんを連れて戻ってくる。

 しかも、今度はいつもどおり、マスクを華生くんがつけていた。



「どっちがどっちか……わかんのか?」



 弥生くんと、華生くんがってこと……?

 私は、指をさしながら名前を呼んだ。



「弥生くんと、華生くん」



 ふたりは、私の答えにこれでもかと目を見開く。

 驚愕している様子に、驚きたいのはこちらだった。



「……なん、で……」



 そう呟いた華生くんの声が、なぜだか震えている。



「なあ、何を見て判断したんだよ。なんでわかった?」



 焦った様子で聞いてくる弥生くんに、返答に困ってしまった。

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