総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「なんでって言われても……」
その質問自体がおかしい気が……。
「親も、わからないのに……」
ぼそっと、悲しそうに吐き出された華生くんの声。
そういえば……以前、そんなことを言っていた気がする。
「ふたりとも、顔はそっくりだけど……雰囲気とか、身にまとってる空気が全然違うよ。声も話し方も。って、私も最近やっとわかるようになったんだけど」
出会ったばかりの頃は、私もマスクがなかったら見分けがつかなかった。
そのくらい似ているけど、でもよく見ると全然違う。
「俺とかよが、違う?」
「うん。当たり前だよ。ふたりは違う人間なんだから」
いつも食堂で同じメニューを食べているし、口癖も一緒だし、似ている部分は多いと思う。
だからって、同じ人間ではない。