総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
今の幹部が卒業したあと……fatalトップになれるように、どうしても下クラスに落ちるわけにはいかない。
この学園では、族の頭や幹部クラスは全員Sに入っている。
条件というわけではないが、暗黙の了解だった。
今の3年は、スリートップがnobleだ。
総長の春季さんは最初の頃は2位だったものの、今は6位まで落ちている。
俺たちはfatalに入っているからと言って、春季さんに憧れているわけじゃない。
むしろ、逆だ。
サラっていう、最高の女がいながら……。今や総長の風上にも置けないあの人の姿に、苛立っていた。
あの人がいなくなったら……俺たちがfatalを変えるんだ。
今の“ダラケきった”fatalは、全然かっこよくない。
話がそれたが、俺たちはなんとしてでも、上位を維持しなければいけない。
「もし編入生が来たら、お前たち2軍落ちかもな。頑張って負けないようにな」
海の言葉に、腹が立って舌打ちをした。