総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 しかも、あの一匹狼の氷高をいとも簡単に手なづけている。

 きわめつけは、数学の授業だ。

 この性格の悪い教師の難題に答えられた奴なんて今まで見たことがないのに、地味メガネはまるで簡単な問題を解くみたいにあっさりと回答した。

 こいつの学力は本物だと、認めざるを得なかった。







 地味メガネは、知れば知るほど変な女だった。

 地味なくせにやけにコミュ力が高いし、底知れないくらい頭がいいのにそれを鼻にかけない。俺たちがどれだけ貶しても怒るどこか笑顔で許すし……まあ、代わりに氷高に殴られるけど。

 いやでも、「優しい奴だ」と認識してしまっていた。

 見た目は下の下だけど、他は文句のつけようがない。

 でも、欠点がないことも逆に癇に障った。

 敵わないと、思わされるから……。







 そして、俺たちは別の分野でも敗北を突きつけられた。

 地味メガネはどうやら、運動神経も完璧らしい。


< 271 / 347 >

この作品をシェア

pagetop